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コラムCOLUMN

「弁理士試験奮闘記」 岩城 全紀

第31回
 ~弁理士への憧れ そして勉強第二期~ 
  令和元年6月5日
翌年の平成2年、受験2年目の弁理士試験で、何とか一次試験(多枝選択式試験)を突破することができた。この要因としては、前述のG・I先生主宰のゼミ、又そのゼミで知り合った、同じ私鉄沿線に居住していたT・O氏(現在は弁理士として独立自営しておられる)と一緒に勉強する機会に恵まれたことが挙げられる。休日や平日夜間に同氏居宅の近くの公民館で、多枝向けの勉強を重点的に行ったことが功を奏した結果である。このことは、一次試験の多枝選択式を突破するには、どのような勉強が必要かということを自己に知らしめ、後々有益であった。具体的には、条文は丸暗記とまではいかないまでも、何条何項にどのような事が書いてあるかを思い出す事ができる程度まで確実に記憶し、そして、条文の制定趣旨を同時に意識することである。


平成2年度の一次試験突破は大いに自信(過信)にはなったが、最終合格までの、ほんの一里塚に過ぎないことも事実であった。その頃から、当該年度に最終合格を果たされたA・W氏(後、弁理士会・副会長などを歴任)が、有志を募って、通称Mゼミを作られ、私も参加させて頂くことになった。これによって、後に弁理士となる前述のT・O氏、M・S氏、A・I氏、T・S氏、Y・O氏などの良き受験生仲間に恵まれ、仲間同士の議論や答案練習などを通じ、切磋琢磨しながら勉強する環境が整うと共に、受験に必要な情報も同時に得られるようになった。このころは本当に楽しかった。


Mゼミ仲間で、小さなマンションの小部屋を賃貸し、仕事が終わった後に集まって、各々勉強に励んだり、平成2年以降の難問化しつつあった論文試験に対応すべく、色々な問題、特に、ひねりを聞かせた問題を答練した。この答練は本試でどのような問題が出ても、慌てず回答するという試験度胸を養うとともに論理的思考を向上させるという点で、試験面は勿論、仕事の面でも大変有益なものであった。A・W先生のリーダーシップに感謝する次第である。A・W先生は私とはそもそも別次元の方であり、その先生から叱咤され、賞められたりすることは私にとって精神的に大いに力を貰った。


このような形で、勉強する環境は整ったが、翌年の平成3年の試験では一次試験で敗退の憂き目にあった。ボーダーより2、3点程度の不足と思われるが、完全な油断である。この1次試験に落ちたというのは、それまでの一次試験合格者という、いっぱしの受験生気取りだった私にとって非常なショックで、情けなさで一杯になってしまった。  このような状況下、新たな勤務先を捜して生活を立て直し、心機一転を図って受験勉強を継続することにした。具体的は前述のMゼミ仲間で借りている賃貸マンションに通いやすいよう、池袋から、新宿区の特許事務所を新たな勤務先とした。また、この期間は、特許出願の明細書を作成するという、弁理士として最も基本的な仕事に関し、再度、基礎から鍛え直して身につけることこそが重要であり、弁理士になるのは後回しでも良いと、自分に言い聞かせもした。

                             次回に続く

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