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いわき特許事務所は特許・実用新案、意匠、商標を専門とする事務所です。

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コラムCOLUMN

「我が職業人生奮闘記」 岩城 全紀

第43回(第5章)
~謝辞
 
 以上、云いたいことを述べてきたが、私が弁理士となり、特許事務所を開設し得たのは、多くの仲間の支えがあってのことである。特に、受験生時代、個人ゼミを作って下さったA・W先生、並びに、そのゼミでT・O先生やM・S先生が貴重な時間を割いて講師となって指導してくれたことには感謝の一語に尽きる。私は、そのような仲間に恵まれたおかげで、弁理士試験の受験勉強が辛いと思ったことは余り多くなく、自惚れといわるかもしれないが、比較的楽しく且つ真剣に打ち込むことが出来、自分には適職だったのかなと改めて理解している。勿論、今だから、そう感じる面もあり相応の我慢があったのは事実である。

 結果的に、実務経験を積むことと並行して弁理士試験の受験勉強を行ったことで、多くの知己に恵まれ、前述したように一人事務所という形態ではあるが、人的ネットワークの助力があることで、地方である北海道で、弁理士が自分一人の特許事務所を営み、知財の専門家として生きていくことが曲がりなりに出来るようになった。また、外的要因としては平成7年頃から普及したインターネットによる各種の情報取得の容易化も、事務所業務を進める上での追い風となった。

 本稿は、仕事の事を記録しようと思って書き始めた備忘録ではあるが、どうしても受験生時代の自分を思い返してしまう。受験生時代は私にとって、それほど強烈な一時期であり、人間として弁理士として、生きていく上での基礎となっているのである。あのように燃えて勉強し、実務を吸収したことは後先にはなく、そのような点が、ある意味貯金となって、事務所を自営している今現在に生かされていると思う。困難な仕事に直面した場合でも簡単にあきらめず、プラス思考で何とかしようという気持で対処できるようになったことは、受験勉強を通じて精神力が鍛えられたお陰だと感じる。 受験勉強当時、勤務先の先輩弁理士であるT・A先生から云われたことであるが、受験勉強に苦労し、人より多く時間を要したとしても、その分は弁理士としての正味期間を延長することに繋がるという、妙な励ましがあった。確かに、その通りであると思う。私の場合、他人からの強制且つ限られた時間で仕事を行わなければならなかったサラリーマン時代は、自分にとって苦痛な事も多かった。

 しかし、完全独立した2005年以来、個々の案件に時間を掛けて対処したい自分にとって、他人の意見に左右されない独立という形態が自己に合っていたと思われ、結果的に弁理士の仕事を自分の天職であると考えることが出来るようになった。 つまり、独立したことは私にとって良い方向に作用し、前述の先輩弁理士が云っていた弁理士としての正味期限の延長に繋がっていると思う。あくまで、私には独立自営が向いていたという前提ではあるが。

 私の様な劣等生にとって達成感を得ることができたのは、弁理士試験の合格が初めてであった。また、成り行きのような形での特許事務所設立で四苦八苦しながらではあるが、特許権や商標権取得のサポートを行い、又、クライアントに対する侵害警告などの難題に対処し、好結果を生むことで安心感を持って事業を進めてもらえる様に処置できたことなど、比較的幸運にも恵まれている。今後も新たな目標を設定し、年齢的な面も考慮しつつ、出来るだけ長く弁理士の職務を続けて行きたいと考えている。  
                             完

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